コンサートレビュー Alexander Gadjiev 2022

Alexander Gajiev 2022.7.2 @大阪シンフォニーホール レビュー

東広島市の米国認定音楽療法士がいる音楽教室・オレンジスタジオ代表の高橋加良子です。

レベルが高すぎて、手に汗を握った2021年のショパンコンクールの2位に輝いた、アレクサンダー・ガジェヴのピアノコンサートに行ってきました。素晴らしかったガジェヴさんの大阪公演(ザ シンフォニーホール)の音が4日経っても耳に心に残っています。(2022.7.6付での文章です)⁡

その2日後の広島公演も行ったのですが、ちょっと会場の響きと格闘されたのか、なかなかあの神がかった瞑想的な、音が光を放つようになるのにかなり時間を要しました。最後のシューマンの後半でその感じに入ったようで、これぞガジェヴ!という片鱗は見せつけてくれました。

振り返ると、大阪公演はその状態に2曲目あたりで早々となっていたので、この世のものではないような生きた音、そして音楽が観客の自分の無意識深くに問いかけてくるような、生まれて初めての体験もできました。すごい演奏に居合わせたな、と思います。

それは皆が共有した感情のようで、会場もスタンディングオベーションで感動に包まれていました。

ああいう神がかった演奏には、本人のコンディション、会場、ピアノ、調律、などなどたくさんの要素がぴったりハマっての奇跡的なものなんだなあ、とこれまた胸熱。

言いたいことは山ほどありますが、2曲の個別感想↓

〇葬送ソナタ
この世のものではないような素晴らしい音にただ、ひたすら涙。第一、第二楽章からの緊張からのあの第三楽章への救いのメロディー。そして霊的なものを感じる第四楽章への終結。こんな完璧な物語があるのか、かという。
私の葬儀の時にはガジェヴさんのこのソナタをぜひかけてもらいたいです。
天国に直行できると思います(笑)。

〇ドビュッシー 12の練習曲 11番〜ショパン バラード3番
大阪公演では、この曲の異世界っぷりが際立っていました。妖精や精霊が自由に舞踊る様が見えるよう。そして、異世界に連れていかれた後のショパンのバラードでは人間の歌で現実世界に連れ戻されました。

彼自身も楽曲解説でそのようなことを書いてらっしゃいましたね。バラードは人間の物語である、と。



やはり、演奏家がこうあるものとイメージした音には確実にメッセージがありそれは聞き手には伝わるのだな、と感じました。


そして・・・彼の演奏を聞いて自分の音楽感も揺さぶられています。圧倒的な美しい音を前にして、

あれ??教えてる子ども達に、どんな音を出させたかったんだっけ?

それ以前に、自分がどんな音を出したかったんだっけ?



・・・など、自問自答が続いています。
こういった感想を持たれた方は少なくないようです。本当に不思議。


(Noveletteさんの手書き・・・かしら?可愛いですよね。)

演奏面でも、人物的にも、私の一押しのピアニストさんです。
これからも、聴き続けたいと思います。

アレクサンダー・ガジェヴさんについて・・・
こちら

オレンジスタジオ ピアノレッスン&音楽療法 代表
米国認定音楽療法士 高橋加良子

 

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