音楽療法と自閉症

音楽療法の効果があるのは?

こんにちは。米国認定音楽療法士の高橋です。東広島市でピアノレッスンと音楽療法ができる広島唯一の音楽教室をしています。

さて、今日は私から見た「音楽療法に向いている人」のことについて書いていこうと思います。

音楽療法の対象者

音楽療法といっても、様々な対象者が考えられます。
年代別ですと

  • 赤ちゃん
  • 子ども
  • 青年
  • 大人
  • シニア

症状別ですと

  • 発達障害
  • 精神疾患
  • 身体障害
  • 看取り

という風に、音が聞こえるなら(時には耳が不自由な方でさえも!!)どなたでもしていただけるものなのです。

音楽療法が向いているのは…

米国と日本の通算ではや19年(!!)子どもの音楽療法に関わっている私から見て、誤解を恐れずに言うと、子どもの中でも自閉症(ASD,自閉症スペクトラム障害)と呼ばれているお子さんたちが、一番音楽療法に向いていると感じます。(他の障害でも、もちろん効果もたくさんありますし、さまざまなスキルが改善されていきますよ!)

自閉症のお子さんたちは、コミュニケーションの取り方が独特で、世の中の大多数である定型発達のお子さんや大人の中ではなかなか生活しづらいものです。そのお子さんたちに、言葉をどう使っていくか、コミュニケーションをどうとっていくかをまず足掛かりとして教えなくてはいけないのですが、そこに非言語コミュニケーションである音楽がとても有効に働きます。定型発達であろうがなかろうが、99%の子どもは音楽が好きです。音が鳴ると自然とそちらを向きますし、いい音がする楽器は試してみたくなるものです。自然な発語がない自閉症のお子さんでも、歌にだけは反応したり、口ずさむこともありますよね。そういった興味=音楽を使わない手はありません。

今まで私が接してきた障害を持っているお子さんの中ですごく伸びたなと思うお子さんは、 自閉症で、なおかつ早期に音楽療法を始めた方 たちです。

早期療育の大切さ

もちろん、自閉症だからといって必ず音楽療法ですごく伸びるとは限りません。 絶対はない 、というのは肝に銘じていただきたいのですが、可能性はあります。

ABA療育といものがあることをご存知でしょうか。数ある療育方法の一つです。

たくさんの重要な論文・研究がだされていますが、その一つの一部分を抜粋します。

 1987年、米UCLAのロバース博士は、2~3歳の自閉症児19人(2人を除き、知的障害を伴う)に対して週40時間のABA個別療育を2年以上にわたって実施したところ、そのうち約半数の9人(約47%)が小学校入学までに知的に正常域に達し、かつ付き添いなしに小学校普通学級に入学を認められて、1年次を無事に修了した、と発表しました。一方、ABAを週10時間未満しか行わなかった対照群①は19人中0人、ABAをまったく実施しなかった対照群②は20人中1人しか、小学校普通学級に入学しませんでした。

Lovaas, O.I., (1987) Behavioral treatment and normal educational and intellectual functioning in young autistic children. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 55, 1, 3-9.

これらの一連の研究は、世界にかなりのインパクトを与えました。そして、特に米国で行われる音楽療法は、ABA(応用行動分析)の考えに基づき研究や実践が積み重ねられていることが多くなっています。

そして、療育目的の音楽療法でも同じことが言えます。 早めの療育スタートをすることをお勧め します。 オレンジスタジオでは3歳くらいから開始するのがより効果的だと考えています。 もちろん、3歳以降でこのページを読んでいるかたもがっかりする必要はありません。少しくらい開始が遅くても、まったくないより断然良いですが、できたら就学前には開始したいものです。

オレンジスタジオは、お子さんと保護者の方が少しでも楽になれるよう、お手伝いをいたします。

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